合成の葉酸と聞くと、本当に飲んで大丈夫なのか心配になる人もいるでしょう。
しかし、サプリメントに含まれている葉酸は合成葉酸に分類されます。
葉酸サプリを飲み始めるにあたり、その危険性や有効性を認識しておきましょう。
合成葉酸は身体に悪いのか?
合成葉酸が身体に悪いかと言われると、過剰摂取は身体に悪いという回答となります。
そもそも葉酸には、天然のものと合成のもの、2種類が存在します。
天然葉酸・・・食材に含まれる葉酸。ポリグルタミン酸型葉酸。
合成葉酸・・・サプリメントに含まれる葉酸。モノグルタミン酸型葉酸。
天然葉酸
天然葉酸は、普段の食事から取れる葉酸のことです。
ポリグルタミン酸型葉酸とも呼ばれます。
食材に含まれるため、現在人気の葉酸サプリにポリグルタミン酸型葉酸は入っていないことがほとんどです。
天然葉酸が多く含まれる食べ物・・・海藻・豆類・魚・肉(レバー)・卵類
加熱処理によって分解されやすい性質を持っていますので、食事から摂取する場合は妊婦さんでも生で食べやすい海藻類がお勧めです。
合成葉酸
サプリメントに含まれる葉酸のほとんどは合成葉酸です。
この葉酸はモノグルタミン酸型葉酸とも呼ばれます。
モノグルタミン酸型葉酸は、ポリグルタミン酸型葉酸より体内に取り込みやすいという特徴があります。
ポリグルタミン酸型の葉酸は体内の分解途中で全てが利用されることはなく、吸収効率は半分程度といわれます。
一方、モノグルタミン酸型の葉酸は約85%の吸収率とされており、効率的に吸収することが可能です。
モノグルタミン酸型の合成葉酸が危険と言われるわけ
そもそも天然葉酸を食事で摂取しても、体内でモノグルタミン酸型の葉酸に変わるのであれば、なぜ合成葉酸は危険と思われているのでしょうか?
それは、吸収効率が良いことから由来しています。
食事からの葉酸の摂取は吸収効率が悪いため、葉酸を過剰に摂取してしまう危険性はほとんどありません。
しかし、吸収効率の良いモノグルタミン酸型の合成葉酸サプリだと、飲み過ぎると過剰摂取により危険な場合があります。
葉酸の過剰摂取の危険性
モノグルタミン酸型の葉酸を摂取していく場合、1日あたり1000µgまでが上限とされています(厚生労働省発表)
葉酸は水溶性のため、基本的には体内で不要な分は排出されます。
葉酸を取りすぎた場合の症状例・・・発熱やじんましん(妊婦)、生まれた子どもがぜんそくやアトピー性皮膚炎になるリスク
過剰摂取の場合について詳しくは、下記のページでも紹介しています。
妊娠初期に葉酸サプリをとるべき理由
一方で、葉酸をとることで生まれてくる子供の先天性異常が起こるリスクを下げることができます。
厚生労働省も、食事での天然葉酸の摂取に加え、妊娠初期はサプリでモノグルタミン酸型の葉酸を追加で摂取することを推奨しています。
これはサプリで1日400μgの葉酸をとると、胎児の神経管閉鎖障害の発症リスクを低減できると考えられているためです。
外国の研究結果から、葉酸の摂取時期はおよそ妊娠1か月以上前から妊娠3か月までとされています。
さいごに:葉酸サプリで子供がアトピー性皮膚炎・喘息を発症したという研究報告
様々なサイトで、葉酸は妊娠時期を通して飲み続けることが良いといわれています。
でも!本当にそうなのか?売るための文句ではないのか?
一度疑ってみてください。
例えば、葉酸サプリ摂取による気になる研究結果も報告されています。↓↓
豪アデレード大学・葉酸サプリ摂取が喘息を招いている可能性についての記事
こちらは要約すると、「妊娠後期にサプリメントで葉酸を摂取すると、子供の小児喘息の発症リスクが明らかに高くなった」という研究報告です。
- 妊娠通期で葉酸摂取・・・初期で摂取をやめた人より、子供の喘息発症リスクが2〜3割推計学的に高い
対象が500人程度なため、こういった傾向があるかもしれない、程度に受け止めていただければ良いです。
後期のサプリ利用があまりおすすめできないという一方で、葉酸サプリを妊娠中の全期で飲むことにより早産のリスクが減らせるともいわれています。
早産が気になるので、妊娠16週以降もサプリを飲んでいきたいという場合は、時期別の葉酸を出しているプレミンがお勧めです。
こちらは時期によって栄養成分に配慮がなされているため、安心して飲むことができます。
サプリの摂取は妊婦に委ねられ判断が難しいところではありますが、時期によってサプリを変えて赤ちゃんに一番良い方法を選んでいきたいところです。
葉酸の有効性・リスクをきちんと理解して過ごしていきましょう。